レディ・ベス(東京・大阪)
『レディ・ベス』千秋楽、おめでとうございました!!!
10月に東京で観てから書こう書こうと書きかけて、結局東京千秋楽が終わっても、大阪公演がはじまっても書ききることはなく、今更ながらですが全公演まとめて感想を書いております。
レディベスは(歴史と違う部分はあるけど)いいぞー!!! 笑
上演時間は1幕 1時間15分、2幕 1時間20分(休憩25分)
あらすじ(帝劇版)
16世紀イギリス。
ヘンリー8世の王女として生まれたレディ・ベスは母親のアン・ブーリンが反逆罪で処刑されたため、家庭教師ロジャー・アスカムらと共にハートフォードシャーで暮らしていた。
そうしたある日、若き吟遊詩人ロビン・ブレイクと出会う。
ベスは、彼の送っている自由なさすらいの生活に心魅かれる。
メアリーがイングランド女王となると、ベスを脅威に思い謀略をめぐらすメアリーの側近、司教ガーディナーらは増長の一途をたどる。
ベスは絶え間なく続く苦境に、自分自身の運命を嘆きながらも、強く生きることを決意し、ロビン・ブレイクと密やかに愛を育む。
メアリーの異教徒への迫害が続くなか、民衆は次第にベスの即位を望むようになる。
そんな中、メアリーはベスへある告白をする…
帝劇公式HPより
あらすじ(梅芸版)
1 6世紀イギリス。ベスは国王ヘンリー8世の娘にも関わらず、母が反逆罪の汚名を着せられ処刑されたため、片田舎で家庭教師達と共に勉学に勤しみながらひっそりと暮らしていた。
王女らしい理知と少女らしい好奇心に満ちたベスは、ひょんなことから出会った吟遊詩人ロビンに反発しながらも淡い恋心を抱き始める。
しかし、つつましくも平穏だった日常は、彼女が現国王である姉メアリーに対して反逆を企てているとの疑いを掛けられ一変する。
忠義心をメアリーに信じてもらえず、司教ガーディナーやスペイン大使ルナールに陥れられ、ついにロビンとも引き離されロンドン塔に投獄されてしまう。
だがメアリーの圧政に不満が溜まった民衆からは、「ベスを女王に」という声が次第に高まっていく。ベスが選ぶ道は、女王として国を導く人生か、1人の女性としての幸せか、果たして――。梅芸公式HPより*1
つまりレディ・エリザベス(後のエリザベス1世)がロビンや国(メアリーやスペイン組達)に振り回されて、恋に走ろうとするも、結局女王になる運命からは逃れられず、彼女が生涯結婚しなかった理由を創作した(実話も少しあり)ミュージカルです。
そんなレディベス自体は初演時から知ってたのですが、当時はミュージカルを観るという習慣はなく、私ホイホイしそうなポスターだなーと思いながらスルーしてしまい、ミュージカル沼にハマって数年悔いていたら今年再演!!!!
しかもありがたいことにメインキャストはほぼ初演のオリジナルメンバー。そりゃあ行くしかないでしょう!!ということで、とりあえず東京2公演・大阪5公演観劇しました。
Wキャストはこちら。
- 10/28 マチネ(東京)
- 11/3 ソワレ(東京)
- 12/2 マチネ(大阪)
- 12/3 マチネ(大阪)
- 12/7 マチネ(大阪)
- 12/9 ソワレ(大阪)
- 12/10 マチネ(大阪)
帝劇作品7回ってちょっと久々にお財布のひもが緩みまくってますが、観たい人多かったから仕方ない!笑
一応CDで予習はしてましたが、今回初見後「まさかこんなに泣くなんて聞いてないぞ!?」って大号泣しながら劇場出るくらいでしたし、結局全部の回泣いてました。笑
・キャットとアンブーリン
私の主な涙腺緩ませた原因ココです。笑
ベスを見守る涼風さんのキャットや和音さんのアンブーリンに感情移入してしまったのか、メアリーが崩御して王位継承の決まったベスが歌う新曲(闇を恐れずに)の「少女の頃からいつも 気がつけば 支えてくれた人」って歌詞の時のキャットの会釈で、「ベスゥゥゥゥゥ大人になってえええええ…」とまるで育ての親のような目線でみてしまったわけですよ。あと戴冠式のときのキャットが両手をベスに捧げてから胸元で組んでお辞儀をする姿もダメです。同じ現象が起きちゃう。笑
ベスにずっと寄り添ってるキャットが無力ながらも頼もしすぎて、かなめさんSUKI……が加速しすぎております。
あと「ベス様」と呼ぶキャットの心情を毎回考えるだけでもうダメです。つらい。
千秋楽カテコで\ベス様ー!/納めするお姿すら愛おしすぎました。
大体なんでもお見通しなベスを守るナイト状態のキャット・アシュリー夫人がかっこいいよぉ……。
カテコの時のにこやかな笑顔がもうね…たまらないですね!(ここでも泣く)
千秋楽の笑顔で回転は可愛さのあまり昇天しそうになりました。ルナール大使のときより変な声でて左右の方申し訳ない…笑
和音さんのアン・ブーリンは、実際と比べたらかなり美化されてるし、冒頭の後の再登場がこれでええの?*2って疑問ではあるんですけど、ベスを見守る表情が完全に娘を愛おしく思う母親なのでもうなんでもいいです。
あとアスカム先生とのデュエット(愛のため全て)がすごく好きです。アスカム先生は師として、アンブーリンは母として、ベスに助言する二人の間でベス自身が壮大に、あらゆる人物に揉まれてあがいてるあのシーン結構好きです。ヘンリー8世がメアリーに変わるところとか、ベスを囲んでアンサンブルたちがキレッキレの動き*3だったりとか、ロビン、キャット、メアリーがベスに手を伸ばしたりなんかしたりしながら立ち去っていくところとか、あそこはダンスも含めて好きですね!
アン・ブーリン(の幽霊)に見守られ、キャット・アシュリーにも見守られながらお世話をされて…2人から大事にされててベスずるいなぁ…。メアリーは冒頭から誰も守ってくれる人がいてないのに…なんて思ってたら、女官長?スーザンがメアリーの母親なことに大阪後半で気づいて、小池先生配役GJかよ…!!しました。
・ガーディナー司教とルナール大使
『司教なのに大使に好意を持っていた』ときいてたので、初見時は「おや…?」ってなりましたね。どうやら不要要素として排除されたようですね。おかげで「タヌキvsキツネ」感が強かった。必要な時は共戦するけど、あくまで「目的達成のため」の共戦。だから平気でルナール大使は裏切っちゃうんですよね。せこいなー笑
「ベスを消せ!」の歌も「ショートVer.かな?」ってくらい短くされてしまったんですけど、かっこよく決めまくるルナール大使や、くるくる回転するガーディナー司教とかいろいろ目が足りないくらい堪能できたのでもういいです。
あと、フェリペ殿下に「ワインを飲め!」って言われて、即座に助け舟出すも、結局墓穴掘ってたガーディナーを裏切るルナール大使最高です。
あの気の抜けた「あっ…(ダメだこりゃ…)」がいいし、そのあとの悩むガーディナー司教に手の平をみせたあと、「さあ覚悟を決めてグイッとどうぞ」ってしてるような仕草も、生き絶えそうな状態ですがりつくガーディナー司教を一蹴りして振り払うあのときのルナール大使も最高です。(2度目)
話は前後しますが、ベスを殺そうとして「もう決着は着いたはずでは?」って大使が一瞬止めるも、抹殺してしまわねばならないと使命に狂ってる司教のとこもいいですね。
よく共演されてるお二人なので、阿吽の呼吸とはまさにこのことかってくらい息ぴったりでしたし、お二人の絡みのシーンを正直もっとみたかったです。
・ルナール大使とフェリペ殿下
クール ヘッドッ!!!!なスペイン組ですね。一番のお目当てです。
殿下が出てきたら1時間経ったんだなってなります。ベスとロビンがキスして愛の歌歌ってる裏でコソコソ入ってきて準備してるので、手前の2人そっちのけでみてることが多かったかもしれません。
クールヘッド自体ははじまった瞬間にテンション上がります。あれほんと好き。
しかもクールヘッドで殿下のお戯れみて、ため息ついてからキリッと仕事モードに入る大使、めっちゃかっこよくないですか!?!?
結局殿下が女子達に大使の元へ行くように言ってる?シーンは観る余裕なかったんですけど、相変わらず大使(の中の人)は指先までダンスが綺麗だからクールヘッドのシーンだけずっと見てたい。
平方フェリペの時はビリヤードの棒でビリヤード台に引き上げてもらうのに、古川フェリペの時は自力で後ろからビリヤード台に登るのは単に力の差なのか、演出をそれぞれ変えたのか…たぶんずっと謎。
クールヘッドの歌の後、説明途中でフェリペが消えてて舌打ちする大使は苦労してそうで笑ったし、古川フェリペは舌打ち返しててこっちの殿下めんどくささまさってるなぁと。平方フェリペは顔にでるし、知的感溢れてるからそれはそれでやりにくそうだけど、古川フェリペは顔にも出ないし、気分屋っぽそうだから、大使の大変さ倍増してそう。頑張れルナール大使。
でもなんやかんや不満はかなり持ってそうだけど、フェリペ王子の命を守ろうとする姿(グラスのシーンとか)は陰ながら努力しててらっしゃるなぁと。まあ国のためでしょうけど。
結婚式のシーンは「クールヘッド」の仕草して*4、ルナール大使をお怒りにさせてるとこがいいですね。手にめっちゃイライラ出てますよ大使ィ!
いつだったか、平方フェリペの時に、ベスの命を救ったのにベスに拒絶された時、ルナール大使めっちゃニヤリ顔してたんですよ。ザマァみろって殿下煽ってるようなあの表情最高でした。(3回目)
あとルナール大使が「さぁーすぅーがぁークールヘッドォー!冴えてらっしゃる」と煽って退場なのは何回見ても笑ってしまう。
出番が減る前の初演を観たかったと今更思っても仕方ないですが、もしみてたらまた感想も変わってたのかなと思いますね。
・ベスとフェリペ殿下
そこロビンとベスだろ!?って突っ込みはごもっともなんですけど、ベスとロビンの恋愛話は、私の中でそんなに重要視してないので、省略します。個人的にはベスが男装したときの、パブに入る前のデュエット?が好きです。あとロビンはそれぞれ個性出てるなぁと。どちらかといえばKロビンのほうが好きかもしれない。閑話休題。
聞いたところによると、ベスと殿下の絡み自体も減ったそうですね??かなしい……。
絡みも1シーン程度しかなく、あとは間接的にベスの命を救ってたくらいなんですけど、何気にこの二人って王族なだけあって「使命から逃げることができない」んですよね。
『クールヘッド』の曲中でルナールから「王子に 産まれた定め スペインのため犠牲に」って言っていわれたり、アスカムから「王族である以上使命から逃れることはできない(曖昧なので意訳ってことにしときます」っていわれたりしてて、ものすごくデジャヴを感じてたんですよね。
二人とも自由になりたいと願うも、結局王族である以上はロビンのように自由にはなれない。(ロビンが本当の自由じゃないかはどうかは別)
何気にベスだけでなく殿下も成長させられてる作品なんじゃないかなと。
あと古川フェリペは捕まってるロビンを見てもあまり顔色を変えなかったのに、ベス達を助けたあとにベスに抱きつきに行こうとしたけども、平方フェリペは露骨に怪訝そうな表情をするし、ベスには手を取ろうとするだけで、解釈が全然違ってくる不思議。
私としては古川フェリペはベスも簡単に落とせると思ってそうで、平方フェリペは落とす気なんかなくて、レディに対しての礼儀(あわよくばお持ち帰り)みたいな。
どちらにしろ殿下は若くて綺麗な女が好き。
ベスでは語られませんが、後々の歴史でベス(エリザベス1世)vsフェリペ(スペイン王)になってるのは時代背景考えると面白いかもしれない。
・ルナール大使
ようやくここまできました笑
一番のお目当てだった大使。目力がすごい。(そこかよ)
自らは手を下さず、助言という形でひっかきまわしつつ、殿下には振り回されまくるっていう苦労人。めったに笑うことはないんですけど、時々魅せる笑顔が最高すぎていい。
「べスを消せ!」のときの大阪公演の座り方が完全に夏の人憑依させてたのに、歌いながら飲み物入れたあと、必ずガーディナーの薬の紙をボトルで文鎮代わりにしてたとことか、中の人の裏方さんへの気遣いがいいというか。笑
もう書きたいところは大体書いたんですけど、追加するとすれば、表情でなく態度で喜怒をわからなければってとこですかね。変なものを極めてしまった感ある…かもしれない。
そういえば前楽と千秋楽にクルクル回転してらしたのはかっこよかったです!何してんだ大使ィ!(いいぞもっとやれ!)ってなりましたし、千秋楽は便乗してキャットやアスカム君やべスまで回ってて笑った。
ほんとお茶目な人がこんな怖すぎる役っていうのが毎回新鮮だし、いつ見ても毎回全力な推しさん最高っすわ。
とりあえず予約したDVD、首を長くして待ってます!!!!