Room2916795

観劇は麻薬。好きなことだけ気の向くままに。

「ねえ、ナゼナゾの答えはみつかった?」

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※間違えて消してしまったので再掲です。

ACT×DANCE「Du♭le Flat」Blue ver.(マチソワ)・Black ver.(マチネ)観劇。
上演時間は90分。(休憩なし)

ダンスと歌と演技で魅せるカインとアベル兄弟の話。 話の筋としてはカインとアベルの話さえ知っていればとてもシンプルでわかりやすめ。(逆に知らないと「なるほど、わか…りにくい…」となります。というか、なった笑)

根本的なお芝居の話としてはどちらのバージョンも変わらないのですが、Blueは兄(カイ)が大野さん、弟(ベル)が上口さんで、Blackは兄(カイ)が上口さん、弟(ベル)が大野さんになるという、TRUMPのTruthとReverseの主役だけが日替わりみたいな状態でした。

でも一つだけTRUMPと違うのは、一部のシーンのダンスと立ち位置が変わらずに、同じ位置で同じダンスをして気持ちだけがBlueとBlackで入れ替わってる状態を演じるということ。
そんな頭のこんがらがりそうな難易度の高いことを軽々とやってのける上口さんと大野さんが改めて凄いなと思ったし、息ピッタリで2人とも凄く楽しそうにアイコンタクトをとりながら踊る姿がたまらなく好きでした。こんながっつり踊る演劇×ダンス公演が見たかったんだ…!

ちょっとだけ個別に感想。

大野さん(カイ/ベル):ダンスがめっちゃキレッキレ。バレエのダンスもブレなくて綺麗。(というか、シューズ履かずに靴下の状態でクルクル踊ってたと聞いて意味がわからないですね!?ってなった) カイの時は、なぜなぞをふっかけてくる無邪気な弟のことが好きだけど、嫌い、憎いって苦悩する姿がみていてつらかった。ダンスはカイだとガツガツキレがあるというか荒いというか、勢い、怒りを感じた。
ベルの時は、ちょっと大人びたオカリナがちょっぴり下手くそなベル。ダンスは同じようにキレがあっても優しさが滲み出てた。
即興部分はちょっと弱いのか、たまたまそんなにいいお題がでてないからか…なんかグダってたイメージ笑

上口さん(ベル/カイ):同じくダンスにキレはあるけど、それよりも色っぽさというか妖艶な感じが漏れでてるし、得意なダンスはロックとかポップ系だろうなってソロ部分見てて思った。正直、バレエは上口さんの得意ジャンルではなさそうだったのに、あんなにガッツリ踊られたら同じ事務所の某Y野先輩のタップダンスみたく極めて欲しいなと思えてしまったし、また観る機会ください。
ベルの時は笑顔が多くて、幼くてこっちまでニコニコしながらみてしまったし、オカリナは上手い部分ありつつもやっぱり下手みたいな。後半部分は聖母ならぬ聖弟にしかみえなくて、ベルに泣かれると私も大号泣してた…笑 カイの時は笑顔ちょっと少なめで、負の衝動で震える右手を必死で抑えてる姿とか、乱れまくる髪とか…顔も体も全てを使って苦悩を表現してきてたので見てるこっちのつらさも倍増。(そして私は言わずも大号泣)
即興部分は強いけど、やはりカオス…www

カイとベルの2人のシーンはつらいだけじゃなくて、心の底から2人ともどちらのバージョンも楽しんでそうな姿がたまらなく愛おしすぎたし、「♭だったら寂しすぎる」「♭♭にも意味がある」(意訳)の言葉どおりだなぁと。さすが10年来のソウルメイトと言ってらっしゃるだけあるわ…。

穴沢さん(スール):大野さんのキレのよさと上口さんの艶やかさを合わせ持った怪しい雰囲気満載なこれまたメインの2人とは違った良いかき回し役。途中から妖精なのか、天使なのか、悪魔なのか何なのか存在がよくわかんなくなってた。
何度か別の作品で拝見したことはあるけど、認知して観るのはこれが初?かな。
ジャグリングも難なくこなすし、スールとカイがタンゴっぽい曲で踊るとこがあるけど、そのシーンが大野さんカイ相手だとキレッキレな勢いありまくりなシーンだったのに対し、上口さんカイ相手だと(たぶん)同じ振付にもかかわらずキレッキレな勢いよりも艶やかさ重視なダンスに変えてきてて改めて穴沢さん凄い人だなと…。

小原さん(セト):語り部的存在。カイとベルの弟?でリュンヌの息子でいいんだろうか…?
ダンスよりも歌や語りのほうが印象的だなあと思ったら今作が初舞台って…あのメンタルというか…即興のアドリブ対応力すごいな…笑
今後のご活躍が楽しみです。

小野さん(リュンヌ):6年ぶりくらいに観ましたひーさん。推しさんたちと同じ事務所なのに全く機会がなかったわけですが…今回は作構成演出だけでなく、歌うし踊るし男装?するしお母さんだし…見どころ満載。ガチ推し勢ではないけど、すべてを包み込んでくれそうな母、好きでした。

歌もダンスも芝居もガッツリしてくれて大満足なんですけど、個人的には救いのある話だったのがめっちゃ良かったなぁって。 カイとベルがnodの地で奇跡的に再開出来て、お互いに気づいたこととかを伝えることができたし、過去は変えることはできないけど、未来は罪を背負っていても選べるんだと言われてる気がした。

あとBlue ver.で「(カイが)先にねちゃうけどねww」って言って、その時は先に寝てしまうベルが起きて隣に兄がいてないことに気づいて、愛おしそうにカイのいてたところを撫でる姿は凄く好きでした。

ベルは星になったのか、はたまた次の母のお腹の中で生まれ変わる準備をしていたのかはわからないけど、また2人で過ごす時間がきてほしいなと。その時はカイとまた再開できますように。

♭じゃダメなんですよ…。♭♭だからこそ美しく儚い。

もうこれは完全に余談ですけど、blueの時の上口さんは手を降るのでなくオカリナを振ってたり、カテコのハケ時にカーテンの端を見つけられなくて上口さんがモダモダしてたら、あとあと大野さんは1発でみつけて「ほらね?」ってしてて凄く…可愛かった…仲良しか。

blackの時はカテコの時に上口さんがしっかりしてて、大野さんがぽやーってしててまたそれもよかったですね…笑